2010-01-26

Type: 人を動かす変革のツインドライブ


プロフェッショナル・マガジン『Type』のリニューアル創刊第一号(2010年春号)に記事の掲載を頂いた。キャリアヒストリーにフォーカスしながら読み解くコンサルタントのブレイクスルー体験談で、戦略コンサルティングファームBooz&Companyで活躍するコンサルタントとして誌面に登場している。記事の見出しは「社会貢献活動を通じて実証した人を動かす変革のツインドライブ」。昨年度、東京オフィスで初の試みとなるプロボノプロジェクト「山村地域再生プロジェクト」のリーダーを務めさせて頂いたときの経験をフィーチャーしつつ、そこに至るまでに通過してきた僕のブレイクスルー体験について取材を頂いた。Typeのみなさんが非常に丁寧に取材して下さり、学びのプロセスを的確にまとめて下さった記事になっている。

僕がプロジェクトを遂行する上での成功の要諦として記事に紹介されているツインドライブとは、2つのエンジン―すなわち、思考力と実行力。この両輪がパワフルに回ってこそ、真に物事は動いていくと思う。もともとNGOやNPOの現場最前線で事業のスタートアップを手がけて行動力を鍛えていた自分にとって、自身の最終鍛錬環境に戦略コンサルティングファームを選択したのは思考力のプロフェッショナリズムを高め上げるためであった。したがって、最初は徹底的に論理的思考能力を駆使することにフォーカスして大いに学びになっていたのだが、オンサイトのプロジェクトの中で、真に変革が起こっていくためには現場の人々を巻き込んでいく実行力がないと意味がないと原点回帰したというのが体験談の内容である。

戦略コンサルタントと言うと、ドライなまでにロジカルで物事をバッサリと切っていくという印象もあるかと思う。これはこれで経営には非常に重要なスキルで、僕は常にその刀を研ぎ澄ませ続けたい思っている。一方、それだけでは物事は動かないということをプロフェッショナルの現場で経験したのは、僕にとって非常に大きな意味をもつ検証であった。自身がずっと鍛えてきた実行力がそのまま現場で活きることを体感し、思考力×実行力に自ら確かな手応えを得たのである。綺麗な戦略だけあっても実行されなければ意味がない。気合だけ入っていても戦略がなければ闇雲な体当たり。つまり、“人を動かす戦略づくり”と“戦略を動かす人づくり”の双方が必要なのである。それゆえ、常に思考力と実行力をフル回転させて、一緒に戦略づくりのプロセスを共有したり、戦略を実行しながらチアアップしたりという活動が重要だと思う。

戦略コンサルタントは、ややもすると思考力の発動に偏ってしまいがちな面も確かにある。しかしながら、当たり前のことだが、自分がクライアントの立場になったことを考えたら、あるべき姿が浮かび上がってくるように思う。緻密なロジックで理路整然とドライに問題点を指摘された上で綺麗な戦略を渡されても、正直なところ、それを実行したいとは思いにくい。さらに、実行支援という名のもとに、感情を逆撫でするようなコミュニケーションをされたら、現場の全勢力をもって抵抗に回る行動をとりたくもなる。そのような側面も考慮してプロジェクトを進められたら、お互いにとって意義のある関係性を築けるように思う。勿論、いつも理想的な形になるわけではないのだが、理想的な形を心にもって活動することはできる。つい忘れがちなことなので、折に触れて立ち返りたいと思う次第である。