SFC Radio Navigator Contest 2010


慶應SFCの学園祭「秋祭」最終日の11月17日、キャンパス内の特設ステージにて、この半年、みんなでずっと準備してきた「SFC Radio Navigator Contest 2010」本選を開催した。その名の通り、ラジオ・ナビゲーター(DJ、MC、ナレーターなど)を目指す人々のためのコンテストである。全国の大学生を対象として夏に公募を行い、デモテープによる一次審査と番組実演による二次審査という難関を通過したファイナリスト8人がステージでライブ番組を披露した。審査員には、DJ事務所FM BIRD社長の長倉シュタッフ牧子さん、ラジオDJ/ナレーターの秀島史香さん、FMヨコハマ編成制作部長の加藤直裕さんの3人を迎えるというプロ・オーディションさながらの環境を整えた。僕は、ステージのメインMCを担当。それぞれの個性の際立ったファイナリスト8人によるパフォーマンスの連続にワクワクし続けた2時間となった。

実は、このコンテスト開催のきっかけは、半年前の5月頃、僕の所属するDJ事務所の長倉社長との会話から。「谷中くん、今年の秋、久しぶりにSFCでDJコンテストやりたいと思ってるんだけど、どうかしら?」「いいですねぇ」。僕は8年前の2002年にSFCの秋祭で開催したDJコンテストのプロデューサーを務めさせて頂いた経緯があり、プロジェクトチームの立ち上げを進めることになった。今回、コンテスト開催のために半年におよぶプロジェクトを見事に率いてくれたのが、僕の出身サークルでもあるSFCの音像工房のメンバー。2年生の伊藤あゆみさんと齋藤伊武輝くんが中心となってチームをリードしつつ、コンテストのバックアップを行うDJ事務所FM BIRDとの連携を見事に果たして素晴らしいコンテストに仕上げてくれた。


今回、コンテスト本選では、審査員としてお越し頂いた秀島史香さんへのゲストインタビューも行った。J-WAVEでナビゲーターを務める秀島さんも、プロへのきっかけは学生のときにエントリーしたDJコンテストだったのである。今回のコンテストをきっかけとして新たなタレントが生まれても、何ら不思議ではない。実は、かくいう僕も、DJ/MC/ナレーターとしてのプロ活動へのきっかけは、大学2年のときに遊び心でエントリーしたZIP-FMのナビゲーター・コンテストであった。あのときの受賞がきっかけとなって、その後、たくさんのエキサイトメントを体験させて頂いた…そんなわけでコンテストという機会には本当に感謝していて、僕もそのような機会づくりに少しでも貢献できたら嬉しいと思っているのである。

コンテストのような表現の場というのは、ラジオ・ナビゲーターに限ったものではない。世の中には実に多種多様なコンテストが存在する。僕は、そのような場に強い魅力を感じている。それは、「エントリーするプロセスで本人が成長する」「優れた才能が発掘されて社会に活かされる」「観客に感動とインスピレーションを与える」といった要素を内包しているからである。さらに言えば、そのような場づくり関わるスタッフにとっても、コンテストづくりそのものが学び成長する機会となる。そして、自明ながら、人の持ち味を引き出すような社会づくりをしたいと思っている僕の構想に直結している。そんなわけで、改めて、今回のコンテストづくりに関わってくれた全てのみなさんに感謝!