2011-07-08

白熱教室型のキャリア教育論


非営利組織経営論や非営利教育論をテーマに招聘講師として大学で教鞭を執らせて頂いて早くも4年目となる。今日の午後は、獨協大学にて全学総合講座『NPO論』の講義を担当させて頂き、キャリア教育を中心とする非営利教育論にフォーカスした。広い大教室に参集頂いたのは、学部1年生を中心とする様々な学部の学生200名強のみなさん。なぜ僕自身がキャリア教育に着目して、NPO法人キーパーソン21でキャリア教育プログラムの体系化に参画したのかを率直に共有した上で、実演も交えて講義を展開した。

半分は講義形式だが、もう半分は大教室まるごと巻き込み型のワークショップ形式。言うなれば、白熱教室に少々エンタメ性を加えたようなテイストで進行している。普段は小中学校で30人程度のクラスを対象に90分かけて行うワークショップのエッセンスを抽出して、200人強の大学生を対象に30分程度で行う特別編を展開。ゲーム感覚で自分のすきなものを洗い出し、そのキーワードから関連する仕事や職業を連想していく。大教室ながらも非常に一体感のあるワークショップに仕上がった。


実は、このプログラムの原点は、僕の高校時代の経験にある。高校は自由な校風で非常に楽しかった一方、自分を見つめる機会が希薄なまま受験勉強モードに入っていく環境に強い違和感を覚えていた。これでは人の持ち味が活かされる活路が拓かれない。世間体や知名度に紛らわされることなく、もっと一人一人のワクワク感にフォーカスして進路が切り拓かれる機会をつくりたい。そんな想いから、こういう授業があったらいいのに…と思う構想をまとめていたのである。このときから、授業のあり方を考えるようになった。

大学時代に授業シナリオを自分のノートに書き下ろし、最初に生まれた原案がワクワク感を言語化するゲーム式授業。高校時代にアガリと呼ばれる飲み会で頻発していた山手線ゲームの原理を応用した。お題に沿って順番に発言せざるを得ないゲームで、きちんと発言できないと飲まされる。僕は、ゲーム感覚で半ば強制的に発言せざるを得ない空気感を自然に作るという深淵なる原理に着目し、自分のすきなものをブレスト的に吐き出す授業を着想した。この手のゲームを考えるのは大の得意分野で、次々と原案がまとまった。

これを事業化して社会に提案したいと考えていた松下政経塾時代に出会ったのが、NPO法人キーパーソン21である。当時、小中学校とのネットワークを築いて講演コーディネートをしていた活動に興味をもって訪ねたときに、まさに教材開発をしたいという状況を伺った。一方、自分はワークショップ原案は既にあるが、学校とのネットワークがない。そんな偶然に意気投合して、キャリア教育プログラムの体系化を一気に進めることになった。僕が高校時代に着想した原案が形となり、現在も多方面で活用頂いているのは非常に感慨深い。

このような経緯も紹介しつつ、今日の講義では、ワクワク感を基点としたキャリア設計という考え方を共有させて頂いた。ただ、これも数多ある価値観の中の一つであるという相対感も合わせて指摘。それを踏まえつつも、やっぱり自分のワクワク感をベースに活動していきたいと願う方々には、キャリア教育プログラムがお役に立つこともできるかもしれない。そして、今ではプログラム実施の中核を大学生チームが担っていることも強く紹介させて頂いた。講義後には何人かインターン希望の申し出を頂き、嬉しいひとときとなった。